子どもと家族のための緊急提言プロジェクト政策提
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〈2024衆院選〉子育て政策に関する政党アンケート

About

政党アンケートの趣旨

総選挙(2024年10月27日投開票)を闘う各党の子育て政策に関するスタンスを知るため、以下の質問への回答をお願い致しました。

この度、公示された衆議院総選挙において、各党が重要な政治・政策の課題を掲げて闘っておられるなか、私たちは子育て政策の前進を願い活動してきた3団体として、特に子どもや子育ての政策をめぐる各党のお考えを伺い、その結果を公表することで、有権者の投票判断に資する情報を提供したいと考えております。

ご存じの通り、日本では出生率の低下が止まらず、昨年の合計特殊出生率は1.2と過去最低に、子どもの出生数も72万人と過去最少でした。深刻な少子化の背景に、「子どもを産み育てにくい社会環境」があると指摘されてきましたが、いまだ保育所の待機児童問題ひとつ解決できていないなど、子育て政策の貧弱さは明らかです。

そこで、私たちは子育て当事者の視点から、日本で必要と考える政策を「子育て八策」としてまとめました。ここで掲げる政策に対し、各党の賛否を伺い、いただいた回答結果を公表いたします。

Summary

アンケート結果|概要 (10/24公表)

◎:賛成 ○:部分的に賛成 ×:賛成できない

Result

アンケート結果|詳細

Q1.「妊娠・出産の無償化」の実現について

部分的に賛成する

出産費用の保険適用に関しては、昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」で、『2026年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等の更なる強化について検討を進める』とされたことを受け、本年6月末から厚生労働省及びこども家庭庁が共同で、有識者による検討会(「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」)を設置し、議論を行っております。出産時の経済的負担については、保険適用の導入を含め、出産の標準的な費用について妊婦の方に自己負担が生じないよう検討を進めていくべきものと考えています。

Q2. 妊娠初期から同じ専門家が伴走する「子育てケアマネジャー」創設について

部分的に賛成する

妊産婦の不安や悩みに寄り添い、支援するような取組は、子育て世代を支援する上で極めて重要だと考えています。このため、本年度より、「地域子育て相談機関」等の身近な場所で気軽に相談が受けられる体制を整備しているほか、妊娠時や出産後に専門職等と面談を実施し、個別のニーズを踏まえた支援策につなげていく伴走型相談支援が来年度より制度化されることとなっています。フィンランドのネウボラのように同じ専門家が伴走する方式については、利用者からみると安定した関係の中で相談できるメリットがある一方で、例えば保健師の配置状況など現在の自治体の体制が地域ごとに異なること、地域ごとや個々人ごとに利用者のニーズが違うことなども考える必要があること等から、まずは伴走型相談支援の強化等を通じ「多様なニーズを踏まえて適切なサービスにつなぐ」体制を整備していきたいと考えています。

Q3. 子育ての各種サポートを必要な全員に届ける包括提供システムの創設について

部分的に賛成する

子育て世代への包括的な支援については、「地域子育て相談機関」や伴走型相談支援の強化を通じ、必要な世帯に必要な支援が行き渡るよう取り組んでいくことが必要と考えています。なお、本年度から全国の市区町村で設置が進んでいる「こども家庭センター」においては、個々の家庭の状況等に応じて、様々な支援の内容を記載した「サポートプラン」が作成されるものと承知しています。この「サポートプラン」を活用して包括的・計画的な支援を行うなど、地域の多様な支援主体等と連携し、全ての妊産婦やこども、子育て世帯に対する相談支援体制の強化に取り組んでいくべきと考えています。また、「こども家庭センター」には、保健師や子ども家庭支援員等の専門職を配置し、その専門性を活かして支援していくことを基本としていますが、併せて、新たに「統括支援員」を配置し、母子保健の専門家と児童福祉分野の専門家に連携・協力しながら一体的な支援を実施できるような体制の構築に向けて取り組んでいくこととしています。

Q4. 全ての子どもの保育利用を可能とする「保育保障」の制度化について

部分的に賛成する

全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、毎月・一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」を創設しました。こども誰でも通園制度の利用方式については、御指摘のように定期利用が望ましいとする意見がある一方で、こどもに合う事業所を見つけるまでの利用等について柔軟な利用を希望する意見もあり、丁寧に御意見を伺いつつ、具体化を図っていく必要があると考えています。

Q5. 保育・教育の質をモニタリングする評価・改善機関「日本版Ofsted」の創設について

部分的に賛成する

人員配置の改善、保育という仕事の魅力向上や処遇の改善を通じた保育士の確保などにより、こどもたちが質の高い保育を受けられるようにします。保育の質の評価・改善については、各自治体の指導監査の取組を後押しするとともに、第三者評価を推進しています。諸外国の取組も参考にしながら、我が国の実情を踏まえて、保育の質の改善に資するよう、 監査・評価の仕組みの改善・充実にしっかりと取り組んでまいります。

Q6.「共働き・共育て」を可能とする「労働時間短縮(週35時間制)」と「残業規制強化」の実現について

賛成できない

「1日8時間労働」は、国際基準でも採用されている標準的な水準であると承知しており、また主要先進国の法定労働時間を見ても、1日8時間、1週40時間又は48時間を採用している国が多く、我が国の水準は適切なものと考えています。また、我が国の総実労働時間は、欧州主要国より年間百~数百時間程度長い状況にあり、仕事と育児の両立支援という観点から、時間外労働を含む労働時間全体の短縮に取り組むことが必要と考えますが、時間外労働の上限規制については、2018年の働き方改革関連法において適用猶予されていた業種について本年4月から上限規制が適用されたばかりであり、まずはその施行状況を見極める必要があると考えています。 監査・評価の仕組みの改善・充実にしっかりと取り組んでまいります。

Q7. 子どもの貧困解消へ「養育費立替制度」創設と「児童扶養手当」などの拡充について

部分的に賛成する

養育費の「立替え払い制度」については様々な論点があると承知しており、制度や取組事例の調査研究も必要であると承知していますが、養育費の遅行確保のため、目下、可能なものにしっかりと取り組んでいくべきと考えています。今般の民法等改正法においては、先取特権の付与や法定養育費制度の新設などを盛り込むとともに、「離婚前後親支援事業」等により、養育費の履行確保に取り組む自治体への支援を行っています。また、令和5年12月に策定された「加速化プラン」では、就業支援・生活支援や養育費確保支援などに併せて、ひとり親家庭の生活を下支えする児童扶養手当についても、ひとり親の就労収入の上昇等を踏まえて所得限度額を引き上げるとともに、生活の安定のため特に支援を必要とする多子家庭への加算額を拡充するといった改正を行いました(令和7年1月支給分から開始)。まずは、「加速化プラン」に盛り込んだ多面的な支援を確実に実施していくことにより、ひとり親家庭の生活をしっかり支援してまいります。 監査・評価の仕組みの改善・充実にしっかりと取り組んでまいります。

Q8. 乳幼児期から高等教育まで所得制限のない「公教育無償化」の実現について

部分的に賛成する

家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが、質の高い教育を受けることができるチャンスが平等に与えられ、個性や能力を最大限伸ばせるようにすることが重要です。また、少子化対策の観点からも、教育に係る経済的負担を軽減することは重要です。これまで、幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金制度による授業料支援、高等教育の修学支援新制度など、安定財源を確保しつつ、学校段階全体を通じた教育の無償化・負担軽減に取り組んできています。特に、高等教育については、令和6年度から、給付型奨学金等の多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行い、さらに、令和7年度からは、子供3人以上を扶養している場合に、所得制限なく、一定の額まで、大学等の授業料・入学料を無償とします。これらの施策を着実に進めつつ、引き続き、必要な取組を進めていきたいと考えています。 監査・評価の仕組みの改善・充実にしっかりと取り組んでまいります。

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