堀田力さんへの感謝をこめて
2025/02/20

弊プロジェクトの発足時からの大恩人、堀田力さん(元東京地検特捜部検事、さわやか福祉財団創設者)が2024年11月24日に逝去されました。
2年前に脳梗塞に倒れられ、様々な役職から引退された後も、「これは人生最後の大仕事」といってかかわり続けてくださった子ども・子育て政策。初代の共同代表として、私たちの活動にも大きな励ましとお力を注いで下さったことに、感謝の思いでいっぱいです。
2021年秋、堀田さんを共同代表にと口説いてくれたのは菅原弘子さんでした。菅原さんはかつて市民団体「介護を社会化する一万人市民委員会」を設立し、堀田さんとともに介護保険実現へ活動されたご経験から、取り残されたままの子育て政策の刷新にも力をと、堀田さんの心にスイッチを入れてくださったのでした。
堀田さんは当初、子どもや子育て政策の現状には詳しくないご様子でしたが、先進諸国と比べ改革が進んでいない日本の保育などの課題をあっというまに理解。
さらに、その背後に横たわる旧態依然とした「子育て観」の問題も把握されて、集会でのメッセージや各種インタビュー、論考などで力強く発信を始められ、その政策理解の速さと鋭さに驚かされました。
検事時代も、福祉財団会長の時代も、「よりよい社会にしよう!」と持ち前の使命感と熱意で闘ってこられた堀田さん。その確かな視座とエネルギーが子ども子育ての分野にも向けられるようになり、発してくださった言葉の数々は今も私たちの指針となっています。
「子どもを産みたい人が誰でも安心して産める環境をつくる政策が必要」
「それには、すべての子どもが自立するまで健全に育つ権利を持つことを認めることが最も有効だと考える。これを認めれば、国と社会が親を補って子どもを健全に育てる義務を負担してくれるから、親は安心して産めることになる」
「日本の市民は、子どもの健全育成と少子化対策の重要性を納得すれば、必要な費用負担を覚悟すると信じている」
高齢者政策で市民運動の先頭に立ったご経験と先見性から、子ども・子育て政策にも改革をもたらすのだという信念と情熱を注いで下さり、我々の活動に勇気と方向性を与えてくれました。
子どもが健全に育つためには、地域や社会全体の力が必要。
子育てを親だけの責任にしないためには、子育て支援を整備し、その財源に今の世代で責任を持つことーー。
そう力強く語っておられた堀田さん。良質な保育の利用を全ての子どもに約束する「皆保育」、妊娠期から全ての親子に伴走する専門家をつける「皆支援」を実現しようという、我々の提言の最大の理解者でもありました。
「介護保険と連携した『子ども保険』が必要ではないか」という持論を機会あるごとに述べられ、高い目標を掲げて闘う姿勢を教えてくださいました。その姿勢と信念をしっかりと受け継ぎ、「誰でも安心して産める環境」をこの国で実現するため、引き続き尽力することをお誓いします。どうか、天国から引き続きのご指南をお願いいたします。
(事務局長・榊原智子)
◆堀田さんのメッセージや論考、コラムなど
∇2022/3/15 院内集会〈子どもと家族のための政策を本気で考える集会〉での挨報告
https://drive.google.com/file/d/15ns_CB8qLtWIJcBnAKEjbaCOsYnBsGjh/view?usp=sharing
∇2022/2/25 「子どもを育てる責任」
http://www.t-hotta.net/teigen/seiji/20220225.html
∇2022/6/1 「子ども対策の財源はどこから」
http://www.t-hotta.net/teigen/seiji/20220601.html